あたりまえ

「いいことがいっぱいあるといいね」
と理香が呟いた。
そばで聞いていた友達は答えた。

「いいことって、たまにしかないから、いいんだよ。」

んー。なんだろう。
でもそうかもしれない。

いいことって、ありすぎるとそれが普通になってしまうんだよね。

たとえば、生まれつきすばらしく美しくって、
そのまんまモデルになってしまったような子がいて。

こういっちゃなんだけれど、
若くて綺麗っていうことは、こわいもんなしなんだなーと
かなりフクザツな気分になることもあるんだけれど。
そういう子は他に楽しいことがいっぱいあるし、
こわいもんなしだから平気で仕事ぶっちぎったりするし、
仕事に対する情熱がなくてなんとなくやってたりする
（まあ、気持ちはよくわかるんだけれどね）

でも、そういう子は不思議なことに３年５年もすると
やっぱり、引退したり、開店休業状態になったりする。
逆に理香みたいに元が良くないと、
涙ぐましいダイエットしたり、エステいったり頑張るから
案外長持ちしたりして、いつの間にか立場が逆転していたりする。

いいことがあたりまえになってしまうのは悲劇なのかもしれないな。

それにいいことばっかり続いたら、
きっと理香は増長してすごくやなやつになってしまいそう。
たまに超おちこむぐらいで丁度バランスが取れているのかな。

そういえば、ＢＢＳにも書いてあった。
「私の周りに（私を）見ていた人はたくさんいたんだなー」って。
怪我をしてはじめてそのことに気が付いた、って。

いいことがいいことであるために。
あたしたちはたくさんの普通とちょっとのやなことを
甘んじて受け入れていかないと、ね！